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導入企業・システム概要
- 企業名
- S社(包装資材総合メーカー)
- 所在地
- 徳島県
◆導入前の課題
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「手書き製造記録の限界と、見えない停止時間」がありました。
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- 情報の即時性不足
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製造記録を手書きのチェックシートに記録していたため、機械の稼働時間、停止時間の把握はできていませんでした。
- 稼働状況のブラックボックス化
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広い工場内でどの機械が止まっているのか、事務所からは把握できず、現場管理者が見回りをするまで異常に気づけないことがありました。
- 停止理由の曖昧さ
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「なんとなく稼働率が悪い」という感覚はあったものの、機械トラブルなのか、段取り替えの遅れなのか、詳細な原因(特に短時間の停止=チョコ停)が数値化されていませんでした。
◆対策
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上記課題を解決するため、それぞれ以下のような対策をシステムとして実装しました。
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- 各種製造ラインへのタブレット導入によるリアルタイム入力
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インフレ、印刷、製袋、スリットなど、各種製造エンジニアリングごとに異なる入力項目を設定したタブレット端末を各機台に配置しました。
- 停止理由の明確化
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機械停止時には、タブレット上で「材料切れ」「調整」「故障」などの理由をタップする運用を徹底し、停止理由データを収集しました。
- 大型モニターによる工場全体の「見える化」
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工場内の見通しの良い位置と事務所に、大型のディスプレイを設置しました。
システム上の「工場レイアウト図」をそのまま大画面に投影し、稼働中の機械は「青」、停止中は「黄色」、異常発生時は「赤」と色別表示させました。
広い工場内でも、どのエリアで異常が起きているかが大きく表示されるため、管理者が遠目からでも瞬時に状況を把握し、即応できる環境を構築しました。
◆導入後の効果
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システム導入により、以下の効果がありました。
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- 情報の即時性
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稼働状況がリアルタイムでモニター表示されるため、異常停止発生時に即座に管理者が駆けつけられるようになり、復旧までの時間が大幅に短縮されました。
- 作業負担・生産性向上
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作業記録の整理、保管作業がなくなり、事務工数が月間約20時間削減されました。
収集したデータを分析した結果、頻発していた「チョコ停」の特定原因が判明。設備メンテナンスを実施することで、稼働率が導入前より約15%向上しました。
- 製造不具合時のトレーサビリティー向上と迅速な原因究明
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以前はクレームや不具合が発生した際、倉庫に保管された膨大な紙の製造記録から該当ロットの記録を探し出すのに半日近くを要していました。
記録の電子化により、製品番号や製造日時を入力するだけで瞬時に該当データへアクセス可能となり、調査開始までの時間を数分に短縮できました。
◆ご担当者様のコメント
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意識改革と迅速なアクションが可能になりました
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- 工場内の稼働率の上昇
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これまでは『忙しいから機械が動いているはず』と思い込んでいましたが、モニターで可視化すると、意外に停止している時間が長いことに驚きました。
モニターに『赤色(異常)』がつくと、現場リーダーがすぐにサポートに入る体制ができ、現場全体の『止めてはいけない』という意識が変わりました。
今では朝礼で前日の停止理由グラフを共有し、日々の改善活動に役立てています。